会いたかった人

【ずっと会いたかった人】注目の茶会「chanowa」主宰の出野尚子(2)

2019.11.28

「これほどお茶をしっかり味わったことは、今までなかった」――「chanowa」の茶会に参加した人からこんな声が上がると言います。主人は気持ちを込めてお茶を淹れ、客はその気持ちごとお茶を味わう、その交流から生まれるものはたくさんありました。

お茶の色がとてもきれいで、驚きました。
そうでしょう? 色が澄んでいて、香りは高く、味わいはさっぱりしている。それは「釜炒り茶」という、お茶の製法によるんです。私は鹿児島の生まれで、小さなころから霧島の深蒸し茶を飲んで育ちました。甘くて、とろりとしたお茶が当たり前で、それがおいしいと思っていたのですが、熊本に来て初めて「釜炒り茶」を飲んだとき、同じ緑茶なのに、まったく違うお茶があることに驚いたんです。「釜炒り茶」は、中国から来た製法がそのまま残っているものだと聞いて、もっと深く知りたくて、知りたくて、学び始めたのが、お茶会を仕事にするきっかけだったのです。
澄んだ、美しい黄色が釜炒り茶の特徴。今回は、宮崎県のウーロン茶。萎凋(いちょう)といってお茶をしおらせ、軽く発酵させてから火入れをした、香ばしいお茶。
客も主人も一緒にお茶を楽しめる、中国茶式は楽しいですね。
お茶を淹れる主人も、お客様と一緒に味わう。味も、時間も、共有するわけというところがとても好きなんです。昨年の冬、広東省の潮州へ行ったのですが、ここは「工夫茶(くふうちゃ)」の故郷で。街角でも、どこの家をのぞき込んでも、人が集まってお茶を飲んで、笑ったり話したり。潮州には、私が大好きな「鳳凰單欉(ほうおうたんそう)」というウーロン茶があるのですが、そのすばらしい香りがあちらこちらに漂っています。花のような、蜂蜜のような、果物のような、多彩な味と香り。それを最もおいしく淹れて、家族や友人と味わう――こんな素晴らしい体験はないと思います。
「いつも思うんです。お茶会をして、私がいちばん楽しんでいるのではないか、って」。たしかに出野さん、ものすごく楽しそうなのだ。
お茶の二煎め、三煎めが、ここまでおいしく飲めることを初めて知りました。
色も香りも次第に変わっていくのも楽しかったでしょう? 一煎めを淹れたあと、茶葉を軽くもちあげて、茶壺の蓋もずらして開けておくんです。そうすれば茶葉が蒸らされすぎないで、二煎めもおいしく淹れられます。私はよく「香りを飲む」という言い方をするのですが、お茶は、まず茶葉そのものの香りを楽しむ。お湯が注がれ、茶杯から立ち上る香り。口の含んだときの香り、飲んで、喉を通ったあとにまた戻ってくる香りもあります。挿したあとの茶殻のほのかな香りさえ、私には味わい深いものに感じるんです。学べば学ぶほど、知れば知るほど、深く果てしない世界ですね、お茶は(笑)。
三煎めを淹れたあとの茶葉は、すっかり広がって、もとの葉の形そのままに戻っていた。
どんなふうにお茶ができるかの物語は、聞いて、見て、味わって、楽しい。
お茶会のお道具も、茶匙に枝を使ったり、石を蓋置にしたり、楽しいです。
この石は、台湾の花蓮(ファーレン)の大理石。枝は、ブルーベリーの枝ですね。私の茶会には、自然界のものがあったり、作家の作品があったり、古いもの、新しいもの、いろいろなんです。共通していることは、私が一緒にいて心地よいということ。私の心地よさは、必ずお客様に伝わりますから。私はほとんどお化粧はしないのですが、お手入れは大事にしています。今、これさえつけていれば満足と思うほど好きなのは、デルメッド プレミアムローション。ずっとつけていたいと思うくらい、気持ちがよくて、それを朝晩、心を込めてつけています。何の気なしにつけるのとは、効果が違うと信じています。お茶だって、その人のためにおいしいお茶を思い、心を尽くすとおいしくなるって、知っていますから。
少しとろみのあるデルメッド プレミアムローション。すっと肌に入っていく。
「もともと乾燥肌。もっとほしいという部分には、何度も重ねづけしています」
https://www.dermed.jp/item/basic/

出野尚子(いでの・なおこ)

「chanowa」主宰

1974年鹿児島県生まれ。2002年、熊本の中国茶店「玉蘭」に就職、中国茶を学ぶ。2005年に独立、「chanowa」主宰。九州の茶農家をめぐり、また中国へも何度も足を運び、その土地ならではの茶葉の味わい、楽しみ方を、茶会や教室を通して紹介している。現在、熊本市の史跡「泰勝寺跡」を茶会の拠点としつつ、鹿児島、宮崎、大分など九州内はもちろん、京都や東京でも出張茶会を開催、おいしいお茶で客をもてなす。どの茶会もなかなか予約がとれないほど人気を博している。

撮影・青木和義 ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

プレゼント 出野尚子さんがセレクトした茶葉4種&陶芸作家の陶器

抽選で5名様に、出野尚子さんがセレクトした宮﨑茶房の茶葉4種と、陶芸作家・平沢崇義さんの茶カップ2客と高杯菓子皿をセットでプレゼント。なめらかで優しい手触りの陶器です。