会いたかった人

【ずっと会いたかった人】ベジブーケ・デザイナーの小山美千代さん(3)

2019.6.6

採れたての旬の野菜を束ねた「ベジブーケ®」。飾って食べられる新感覚のギフトとして、お祝いのシーンを彩っています。発案者でありベジブーケ・デザイナーの小山美千代さんは、野菜が身近にあると暮らしが豊かになると話します。

もらったベジブーケはどんなふうに飾ったらいいですか?
ひと抱えほどもあるベジブーケは、そのまま椅子に座らせるようにして飾るとおさまりがよく、どこか愛らしさを感じさせてくれます。野菜をすぐに食べない場合はラッピングをほどき冷蔵庫に入れてもらいますが、根や茎が付いている野菜は水に挿すと、長期間見て楽しむことができます。我が家では、秋から冬にかけてケールを花瓶に生けていることが多いですね。少し前、大学生になったばかりの息子がキッチンに飾ってあるケールの葉をちぎって、茎からあふれる汁をなめて「ケールの汁って甘いんだね」と関心していたことがありました。それ以来、野菜料理を作るためにキッチンに立つことが増えた息子。野菜の美しさが食べたい気持ちを呼び起こす。ベジブーケの神髄が息子に伝わっていたのだとうれしくなるできごとでした。
小山さんの自宅のキッチンには、ケールと黒キャベツを生けた花瓶が置いてあった。水の中で気持ちよさそうに根を伸ばしている。
おいしそうなベジブーケ。思わず食べてしまいたくなります。
ベジブーケに使う野菜は、採れたてで旬。トマト、レタス、カブ、カリフラワーなどの生野菜は、ぜひそのまま食べてみてください。芽キャベツやニンジン、ケール、リーキなど甘みのある野菜はぐつぐつ煮込んでスープを作るのもいいですね。味付けは塩コショウだけで充分。新鮮な野菜の旨味や甘みを味わうにはシンプルな調理法が一番です。……と言いながら、野菜の可能性をもっと広げたくて、ときどき実験するんです。ピーマンのワタやタネをスープに入れると甘く、トロっとした食感になるとか、キャベツの一種コールラビの根は刻んで炒めるとコリコリしておいしいとか、しなびたダイコンは味が染みこみやすいので漬物や煮物に合うとか、野菜の新たな一面を見つけるのがうれしい。受け取った人に、ベジブーケを最後まで楽しんで欲しいから、手製の「メニューカード」も一緒に届けるようにしています。
ケール、ニンジン、リンゴ、手製のユズシロップをミキサーにかけた「野菜ジュース」。
クセがなくサラッと飲めるから、小山家の朝食の定番。
全国でベジブーケが作られるようになったら楽しいですね。
日本全国に「ご当地ベジブーケ」が誕生したら、野菜の可能性はもっと広がりますよね。同じ季節でも、地域によって採れる野菜は全然違いますし、特産野菜もある。旬の採れたて野菜を使うことがベジブーケの条件ですから、その土地ならではの個性的なベジブーケが生まれることでしょう。数年前からベジブーケの教室を始めましたが、うれしいことに全国から生徒が集まっています。6月には、教室の卒業生が北海道でベジブーケの教室を始めるんですよ。ベジブーケの輪がどんどん広がり、いつかは世界中で、私の見たことのない野菜によるベジブーケが生まれたら、こんなに幸せなことはないと思います。
小山さんが経営する農園では、年間150種以上の野菜を栽培。
ベジブーケのベストシーズンは、野菜やハーブが豊富に採れる5月から12月。
ベジブーケに向ける情熱の源はどこにありますか。
女性へのクリスマスプレゼントにベジブーケを贈った男性が「抱えて歩きたくなる花束だ」と言った時のはにかんだ顔。ベジブーケを習う親子のそっくりな笑い声。好きな野菜を束ねたウエディング・ベジブーケを持つ新婦の満足そうな笑顔。私の原動力は、ベジブーケを手にした人の笑顔にあると思います。ベジブーケの普及のために立ち上げた「美千代デザイン」のロゴマークにはさまざまな野菜が描かれていますが、遠くから見るとにっこり笑っている人の顔に見える。それに気がついた時、ああ、そうか。私は野菜と一緒に笑顔を届けたくてここまでやってきたのかと腑に落ちたんです。手にした人が思わずほほえんでしまう、そんなベジブーケをこれからも作っていきたいと思っています。
初夏と晩秋が旬のコールラビ。面白い形や鮮やかな色の野菜、日本では量産化されていない海外の野菜がベジブーケのアクセントになる。
小山さんが考える理想の肌を教えてください。
毎日畑に立つ私ですが、実は、長時間日に当たると炎症やかゆみが起こる敏感肌。紫外線対策は欠かせないのに、つけると涙が止まらなくなる日焼け止めがあるなど、肌に合った日焼け止めを見つけるのにずいぶん苦労しました。つけた瞬間からつけている間中、心地よく過ごせる日焼け止めに出会ってからは、顔だけでなく、手、腕にもしっかりつけています。最近は、ベジブーケの教室で手元を見られることも多いから、意識してケアを始めました。理想の肌ですか? そうですね。できれば、採れたて野菜のようなつややかさを持った肌でありたい……。ですが、長年肌トラブルに悩んできたこともあって、実はあんまり多くは求めていないんです。肌の痛みやかゆみを気にすることなく思いっきり笑えればそれがいちばん。笑うってことは、元気ってことですから。人に笑顔とサプライズを届ける仕事ですので、何より私自身が元気でなくてはと思っています。
基礎化粧品は寝室の化粧台の上が定位置。眠る前に鏡を見ながらケアをする。
左から、デルメッド プレミアム UVベイス、デルメッド プレミアム エッセンス、デルメッド プレミアム ローション。

小山美千代(こやま・みちよ)

ベジブーケ・デザイナー。千葉県の農家に生まれる。幼少よりフラワーアレンジメント、華道を学ぶ。インテリア業界、花業界で活動後、都内のブライダルホールで専任ブーケデザイナーとなる。出産を機に夫とともに実家である伊藤苗木に就農し、里山暮らしを始める。2006年、野菜の美しさに目ざめ、ベジブーケの制作を始めると、新聞や雑誌、テレビなどで紹介され、ベジタブルフラワー装飾の第一人者となる。2013年、ベジブーケの普及のため美千代デザイン株式会社を設立。

撮影・青木和義 ヘア&メイク・レイナ 文・高橋顕子

プレゼント|小山美千代さんのベジブーケ

抽選で5名様に、小山美千代さんデザインのベジブーケをプレゼント。畑から採れたばかり、色とりどりの夏野菜をふんだんに使った美しいブーケです(写真とは内容が異なります。また、野菜のご指定はできません)。