会いたかった人

【ずっと会いたかった人】お菓子&料理研究家の福田里香さん(2)

2019.7.25

福田里香さんが作るサラダは、食卓に登場した瞬間にわっと歓声があがります。その秘密は、道具にありました。包丁、スライサー、ピーラー、グレイター、チェリーピッター…調理道具を巧みに使い分けながら、あっという間に美しいサラダを作ります。「道具には新しい味を生み出す力がある」という福田さんに、使い方を教えてもらいました。

フルーツを使ったレシピの中で、さくらんぼの種を取るための道具が話題になりました。
そうなんです!! 私、さくらんぼの種を取るのがたまらなく好きなんです。この「チェリーピッター」は25年以上愛用しているもの。ジャムの空き瓶にかぶせて、蓋の上にさくらんぼを置いたら、上のレバーをぐっと下に押すと、種が瓶の中にスポンと落ちる仕組み。汁も飛ばない、力もいらない、優れものです。さくらんぼの名産地・アメリカのミシガン州の家庭用品店で購入したものですが、たくさんのさくらんぼを使うパイやタルト、ジャム、サラダを作るときに大活躍。チェリーピッターでの作業が好きすぎて、Instagramに投稿したら、問合せが殺到(笑)。何と、今年、日本での販売が決まったんですよ!(プレゼントにもしています)
福岡、奈良、広島、鎌倉、東京など、全国の食料品店や雑貨店で販売されているという「チェリーピッター」。販売店の詳細は福田さんのInstagramにアップされている。
調理道具をうまく使いこなすコツを教えてください。
みんなに喜んでもらえるサラダを作るために、ときどき、いろいろな道具を使って実験するんです。マッシュルームを花びらのように見せたいから、すごく薄く削ぐことができるスライサーで試してみようとか、ズッキーニを細長く帯状にするならピーラーがいいかしらとか。包丁では表現できない形になった野菜は、今までに味わったことがない食感、歯応えなんです。道具によって新しい味が生まれる、道具のおかげでレシピのアイデアが湧いてくるって、すごいことだと思っています。まずは試してみること。こんな道具もある、こういう使い方したら、すごいことができたという報告も、待っています(笑)。
「ピーラーやスライサーを使うときは指先を削らないよう、薄手のビニール手袋を使うことも。薄いですが1枚カバーされているだけでも全然違う。坑道のカナリアのように(笑)、指先を守ってくれます」
サラダづくりが各段に上手になる調理道具って、ありますか。
彩りや仕上げ、香りづけに欠かせないグレイターがそれです。チーズや柑橘類の皮を削る、細かい目のおろし器ですね。ほんのひと手間で、味が一気に深まります。たとえば、さくらんぼ。日本人はさくらんぼをデザートとして生食で食べることが多いですが、チェリーピッターで種を取ったさくらんぼを2つに切って、マスカルポーネチーズで和える。これだけでも、みんな驚くのですが、さらに、グレイターですりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ、さらにレモンの皮をすりおろすと、塩気と酸味、さわやかな香りが加わって、一気に上等感が増すんです。
「さくらんぼとパルミジャーノのサラダ」。アメリカンチェリー200gを2つに切って種を取り除き、マスカルポーネ50gで和える。器に盛りつけ、パルミジャーノとレモンの皮をグレイターで削りかける。
豆好きの福田さん。ミキサーを使って作るフムスもおいしそうでした。
フムスはひよこ豆で作る中東の料理ですが、豆の種類を変えて楽しんでいます。ソラマメで作ったフムスは、ほろ苦さが後を引く味わいでしたね。ミキサーで攪拌するときは、ざらっとした舌ざわりを残しつつ、なめらかに仕上げると豆の味が引き立ちます。我が家では、ゆで大豆を冷凍庫にストックしていて、しょっちゅう豆料理が登場します。ゆでるのは少し手間ですが、手間をかけた分、おいしい。それに、ほかの野菜にはないたんぱく質が摂れるところもいいですよね。中でも黒豆は、ポリフェノールたっぷりで抗酸化作用があると言われているので、疲れているときこそよく食べます。疲れのサインですか? そうですね。最近は肌や髪に出ることが多く、特に髪がパサついていると元気がないと思われてしまうので、年齢に合った地肌ケアが必要だなと感じているところです。大豆をゆでる手間を惜しまない自分を見習って(笑)、毎日の地肌ケアも習慣にしていきたいなと思います。
「大豆は、オリーブオイルと塩で食べるのもおいしい」。黒大豆から抽出した毛髪補修成分を配合した「カラートリートメント」(左)「ヘアシャンプー」(中央)「ヘアトリートメント」(右)。「カラートリートメントは、シャンプーの後になじませるだけで白髪を少しずつ染めてくれるのがいいですね」

福田里香(ふくだ・りか)お菓子&料理研究家

1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく、近著に『民芸お菓子』(エイ出版)がある。

Instagram:@riccafukuda

撮影・青木和義 ヘア&メイク・レイナ 文・高橋顕子 構成・越川典子

プレゼント| 福田里香さんの「サラダ上手になるセット」

抽選で5名様に、おいしいサラダが作れる6点セットをプレゼント。内容は以下の通り:
福田里香さんのサイン入り著書「新しいサラダ」/チェリーピッター&ビン/チーズグレイター/ラグーゾ「有機エキストラバージンオリーブオイル」/天然の塩「フリュードメールドゲランド」/グエルゾーニモデナ産「有機ホワイトバルサミコ」